フリーランス薬剤師として働き始めた方にとって、
「請求書って、どう出せばいいのだろう」と感じることはないでしょうか。
会社員時代は、特に意識しなくても給料が毎月振り込まれていたと思います。
一方でフリーランスになると、契約書次第ではありますが、
請求書を出さなければ、原則として報酬は支払われません。
とはいえ、いざ請求書を作ろうとすると、
「何を書けばいいのか」「契約内容をどこまで反映すればいいのか」
「インボイスは意識すべきなのか」など、
実務として迷いやすいポイントがいくつも出てきます。
私自身も、雇用から業務委託へ切り替えた当初は、
請求書をどう扱えばいいのか、はっきり整理できていませんでした。
実務を進める中で、請求書は売上を確定させ、
その後の入金確認や帳簿づけにつながっていく
出発点になる書類なのだと、後から理解しました。
この記事では、そうした実体験を踏まえながら、
フリーランス薬剤師が請求実務を迷わず進めるために、
- 請求書は何のための書類なのか
- 請求書に最低限必要な項目と、実務の流れ
- つまずきやすいポイントや、確認しておきたい点
- 請求業務を無理なく進めるための現実的な選択肢
を、実務目線で整理しています。
請求は、契約を実行し、報酬を受け取るための実務です。
その全体像を、ここで一度整理していきましょう。
業務委託契約書について整理したい方はこちらもどうぞ。
👉 フリーランス薬剤師の業務委託契約書の作り方|テンプレ活用でもOK
請求書とは?フリーランス薬剤師の実務で必要になる理由

請求書は、フリーランス薬剤師の実務を進めるうえで欠かせない書類です。
契約で決めた条件をもとに報酬を金額として確定させ、
入金確認や帳簿づけといった後工程につなげる役割を持っています。
会社員であれば、毎月の給料は特に意識しなくても自動的に支払われます。
一方でフリーランスの場合、どれだけ業務を行っていても、
請求書を出さなければ、原則として報酬は支払われません。
この点は、会社員時代とは大きく異なる部分です。
また、請求書は単に「報酬を受け取るための書類」ではありません。
売上を確定させ、その後の入金確認や帳簿づけ、確定申告へとつながっていく
起点になる書類でもあります。
そのため、請求書の内容が曖昧だったり、
契約内容とずれていたりすると、次のような影響が出やすくなります。
- 支払金額の確認に時間がかかり、入金が遅れる
- 修正や差し戻しが発生し、取引先とのやり取りが増える
- 売上の確定や記帳、入金確認が後ろ倒しになる
また、あとになって請求漏れや金額の誤りに気づいても、
契約や社内処理の都合上、修正や追加請求が難しいケースもあります。
請求は、特別な知識が必要な作業ではありません。
だからこそ、毎月繰り返す実務として、
無理なく続けられる形であらかじめ仕組みを整えておくことが大切です。
請求書に必要な項目と、請求実務の基本を整理する

請求書にどんな項目があり、どのような流れで実務が進んでいくのか。
ここでは、全体像を軽く整理します。
請求書に最低限入れておきたい項目
請求書には、次の項目を最低限入れておく必要があります。
| 項目名 | 内容の説明 |
| 請求書タイトル | 「請求書」や「Invoice」など書類の種別を明記 |
| 送付元情報 | 自身の氏名または屋号、住所、連絡先など |
| 請求日 | 書類の作成日 |
| 支払期限 | 「○○年/○月/○日」など支払い期日を明記 |
| 取引先情報 | 取引先の会社名、担当者名、住所など |
| 件名 | 業務内容の概要(例:薬剤師業務委託料(○○年○月分)のご請求)などを記載。取引先が内容を把握しやすくなります。 |
| 明細 | 納品日、品目(業務内容)、単価、数量、単位などの内訳 |
| 消費税の表示 | 税率ごとの消費税額。税込合計も併記する。 ※免税事業者の場合は消費税欄は空欄のままでも問題ありません。 |
| 振込先情報 | 振込先口座名、口座番号、名義など |
| 備考欄 | 交通費や支払条件など、特記事項があれば記載。 例:「※なお、振込手数料については契約書の取り決めに従い、御社ご負担にてお願いいたします。」 |
※ 「適格請求書(インボイス)」について
請求書に関連して、「適格請求書(インボイス)」という言葉を
聞いたことがあるかもしれません。
これは、消費税の仕入税額控除に関係する制度で、
取引先(調剤薬局)がその控除を受ける際に関わってくるものです。
開業初年度のフリーランス薬剤師の場合、
現時点では特別な対応が不要なケースも多く、
「請求書と関係する制度がある」という点を知っておくだけで十分です。
請求実務の基本的な流れ
請求実務は、請求書を作るだけでなく、
全体の流れとして捉えることが大切です。
- 契約内容を確認する
単価や計算方法、交通費の扱いなど、
請求金額に影響する条件をあらかじめ確認します。 - 請求書を作成する
契約内容と照らし合わせながら、
件名・明細・金額を入力します。 - 請求書を送付する
PDFでメール送付するケースが多いですが、
取引先によっては紙での提出を求められることもあります。
送付方法は、事前に確認しておくと安心です。 - 入金を確認する
支払期限どおりに入金されているかを確認します。
このように、請求書を作って終わりではなく、
送付と入金確認までを含めた一連の流れとして進みます。
請求実務でよくあるミスと判断ポイント
請求実務では、次のような点で確認漏れや認識のズレが起きやすくなります。
- 金額・計算まわりのミス
単価や数量の入力間違い、桁数のミス、小計と合計金額の不一致など。
前回の請求書を流用した際に、期日や金額が古いまま残るケースもあります。 - 相手先・自分の情報のミス
宛名の誤字や旧社名のままの記載、振込先口座の情報不足・記載ミスなど。
金額が合っていても、情報不備だけで処理が止まることがあります。 - 契約条件・期間の記載ミス
契約で決めた単価や締め日と異なる内容を書いてしまったり、
対象期間や業務範囲を曖昧に記載してしまうケースです。 - インボイス関連の抜け漏れ(該当する場合)
課税事業者の場合、登録番号や税率区分の記載漏れ・誤りがあると、
取引先側で処理が進まないことがあります。 - 書き方・運用上のミス
請求書であることが分かりにくい書き方や、
支払期日・ファイル名が不明瞭なことで、見落とされてしまうケースもあります。
これらは一つひとつは小さな点ですが、
毎月の請求実務では確認や修正の手間となり、
積み重なると負担や手戻りにつながりやすい部分です。
請求実務をラクに回すための考え方とクラウド請求書の活用

請求書の書き方や項目そのものは、そこまで難しいものではありません。
それでも請求実務が、思った以上に負担に感じやすいのは事実です。
「考えなくていい状態」をつくるという発想
請求実務の負担を減らすうえで大切なのは、
「どう書くか」ではなく「どう回すか」という視点を持つことです。
確認すべきポイントが多く、契約内容との突き合わせも必要な請求実務を、
毎回その場で判断しながら進めるやり方は、
どうしても負担になりやすくなります。
これは注意力や几帳面さの問題ではなく、
手作業で判断し続けるやり方に、どうしても限界があるからです。
だからこそ、
毎回考えなくても進められる「仕組み」をつくることが重要になります。
たとえば、WordやExcelで請求書の雛形を用意するだけでも、
「何を書くか」「どこを確認するか」を毎回考えなくて済むようになり、
判断や確認にかかるエネルギーは大きく減ります。
一方で、WordやExcelの場合、
請求書の作成自体は効率化できても、
送付履歴の管理や入金確認、過去データの検索といった部分は、
どうしても手作業で対応することになります。
ミスを防ぐために気合や集中力に頼るのではなく、
請求書の作成から送付、管理までを含めて、
実務の流れそのものをあらかじめ整えておくことが大切です。
こうした考え方を、無理なく形にしやすい選択肢のひとつが、
請求書の作成・送付・管理をまとめて行える
マネーフォワード クラウド請求書です。
マネーフォワード クラウド請求書の特徴
マネーフォワード クラウド請求書は、
請求書の作成だけでなく、送付や入金状況の管理までを
まとめて扱えるクラウドサービスです。
請求書の形式や計算ルールをあらかじめ整えたうえで発行できるため、
毎月の請求実務を「同じやり方」で回しやすくなります。
主な機能
- 請求書の作成(取引先・品目の登録、金額や消費税の自動計算)
- メール送付・PDF出力(送付履歴も残せる)
- 入金管理(未入金/入金済のステータス管理)
- 請求書の保存・検索(過去の請求書を見返しやすい)
- 会計ソフト連携(請求から記帳へつなげやすい)
注意点(できないこと)
- 契約条件の確認や判断を自動でしてくれるわけではない
(単価・締め日・支払条件などは、前提として契約に合わせて入力が必要です) - 取引先によっては紙の提出が求められる場合がある
(その場合はPDF出力→印刷など、先方の運用に合わせた対応が必要です) - 最初に初期設定(取引先・品目・振込先など)が必要
(一度整えると、以降の作業が軽くなります)
こんな人におすすめ
- 毎月の請求を、同じ形式で迷わず回したい方
- 計算や転記ミスを減らし、確認作業をラクにしたい方
- 請求後の「送った/入金された」を一覧で管理したい方
- 請求から記帳まで、実務の流れを分断せずに進めたい方
マネーフォワード クラウド請求書を使えば、
判断に迷うポイントを減らしながら、
同じ流れで請求業務を進めやすくなります。
次のセクションでは、
マネーフォワード クラウド請求書を使った
請求書作成の基本的な手順を整理していきます。
マネーフォワード クラウド請求書で請求業務を進める流れ

ここでは、マネーフォワード クラウド請求書を使って、
請求書の作成から送付・管理までを、
実務の流れに沿って整理していきます。
画面は2025年6月時点のものを使用しています。
ステップ0|マネーフォワードにログインする
まずは、マネーフォワード クラウド請求書にログインします。
すでに「マネーフォワード クラウド確定申告」を利用している場合は、
同じアカウントでそのままアクセス可能です。

また、「マネーフォワード クラウド確定申告」を利用中の方は、
メイン画面左メニュー「他サービス」から直接アクセスすることもできます。
ステップ1|初期設定を済ませる
請求書を発行する前に、まずは送付元情報や帳票デザインなどの基本設定を行います。
この初期設定を済ませておくと、以降の作業がスムーズになります。
- 帳票設定 > 送付元情報:氏名または屋号、住所、連絡先などを入力
- 帳票設定 > 一般:ロゴや印影、消費税の表示方法などを設定
- 帳票設定 > メール:送信者名・返信先メールアドレス・CCアドレスなどを登録
- 帳票設定 > 請求書:請求書のテンプレートを選択・設定
- 帳票設定 > 振込先:振込口座を登録(複数登録も可能)








👉 送付元情報や口座設定をこのように登録
ステップ2|取引先と品目を登録する
請求書をスムーズに作成するため、取引先と品目(明細)を事前に登録しておきます。
一度登録しておけば、次回以降の請求書作成が格段に早くなります。
- 取引先登録:会社名、担当者名、住所、メールアドレスなどを入力
- 品目登録:報酬内容(例:「薬剤師業務委託料」)や単価、単位などを登録




👉 取引先と品目は事前登録しておくと便利
ステップ3|請求書を作成する
初期設定と取引先・品目の登録が終わったら、いよいよ請求書の作成に進みます。
以下の手順で入力を進めましょう。
- 取引先を選択:登録済みの取引先をプルダウンから選びます
- 請求日と支払期限を入力:契約条件に基づき正確に設定
- 件名を入力:「薬剤師業務委託料(○年○月分)のご請求」など、内容がわかる件名に
- 納品日を入力:通常は「当該月の末日」(例:「2025/05/31」)を指定
- 品目を選択:登録済みの品目を選び、数量・単価を入力
- 振込先を選択:初期設定で登録した口座を指定
記載内容に誤りがないか確認したら、保存して次のステップへ進みます。


👉 件名・金額・納品日などを入力して保存
ステップ4|送付・管理する
作成した請求書は、「請求書一覧」画面からまとめて管理できます。
この画面では次のような操作が可能です。
- メール送信:取引先に直接メールで送付
- PDFダウンロード:PDF形式で保存・印刷が可能
- ステータス管理:「未入金」「入金済」などの状況を確認・更新可能
請求書の送付・管理をクラウド上で完結できるため、見落としや手間を防ぎ、入金漏れの防止にもつながります。

👉 送付履歴と入金状況を一覧で確認可能
一度初期設定を済ませてしまえば、
「作成 → 送付 → 管理」までを同じ流れで進めやすくなり、
毎月の請求業務の負担を大きく減らせます。
ここまで、請求書の基本からマネーフォワード クラウド請求書の使い方まで、実務に必要な一連の流れを解説してきました。
最後に、この記事全体を振り返りながら、フリーランスが押さえておきたい請求書業務のポイントを整理しておきましょう。
まとめ|請求書作成を無理なく続けるために

請求書の書き方そのものは、そこまで難しいものではありません。
それでも請求実務が負担に感じやすいのは、
毎月繰り返す作業の中で、確認や判断が積み重なっていくからです。
だからこそ大切なのは、
一つひとつを完璧にこなすことよりも、
「無理なく続けられる形」で請求実務を回すことです。
毎回その場で考えながら処理するのではなく、
あらかじめ流れや判断ポイントを整えておくだけでも、
請求業務の負担は大きく変わります。
マネーフォワード クラウド請求書のようなツールは、
そのための手段のひとつにすぎません。
大切なのは、請求実務をどう回すかという考え方を持ち、
自分の業務量や取引先に合った形で、仕組みを整えていくことです。
請求は、請求書を出して終わりではなく、
その後の記帳や入金確認につながっていく実務でもあります。
次は、請求後の流れである「記帳」について整理していきましょう。
✅ 次に進めるアクションはこちら:
👉 マネーフォワード クラウド請求書公式ページ(外部リンク)
請求書の作成から送付、入金管理までをまとめて行えるクラウドサービスです。
請求実務を同じ流れで回せる仕組みを整えたい方は、こちらも参考にしてみてください。
👉 マネーフォワード確定申告ガイド|実務編:データ連携から仕訳登録までの使い方
請求書を発行したあとは、売上としての記帳や入金確認につながっていきます。
請求からその後の帳簿づけまで、実務の流れを整理したい方はこちらの記事が参考になります。