フリーランス薬剤師として独立したものの、請求書の作成に戸惑っていませんか?
「請求書の書き方が分からない」「毎月の作成が面倒」「クラウドサービスの導入が不安」──こうした悩みは、独立直後のフリーランスによくある不安です。
特に、調剤薬局などと業務委託契約を結んで働く薬剤師にとって、請求書の作成は避けて通れない重要業務です。
この記事では、業務委託契約で働く薬剤師が「正確で効率的な請求書」を作成できるよう、以下のポイントをわかりやすく解説します。
- 請求書に記載すべき基本項目とその意味
- 交通費の記載方法など、薬剤師業務で気をつけたいポイント
- 手作業から脱却できるクラウド請求書サービスの活用法
- マネーフォワードクラウド請求書を使った実践手順
「請求業務に手間をかけず、本業に集中したい」「報酬を正確に請求し、確実に受け取りたい」──そう感じている方は、ぜひ本記事を最後までご覧ください。
請求書って何?フリーランス薬剤師が知っておきたい基本知識

フリーランス薬剤師として働き始めると、報酬を受け取るために自分で請求書を発行する必要があります。会社員時代には意識しなかった業務ですが、独立後は収入や信用に直結する重要な仕事です。
ここでは、請求書の基本的な役割と、業務委託契約で働く薬剤師が押さえておくべきポイントを解説します。
請求書の役割と重要性
請求書とは、業務の対価として取引先に支払いを求めるための正式な書類です。ただの事務手続きではなく、次のような役割を果たします:
- 報酬を請求するための正式な書類
- 売上(収入)を記録・管理するための基本ツール
- 税務申告や記帳に必要な帳簿書類のひとつ
記載ミスや情報の不足があると、入金の遅れや信頼の低下につながるリスクもあります。
正確な請求書の発行は、安定した業務運営の基本です。
フリーランス薬剤師の請求書で注意すべきポイント
フリーランスとして働く薬剤師は、請求書の内容が契約条件や実際の業務内容と合致していることが重要です。契約書とのズレがあると、支払いトラブルや信頼低下につながる恐れもあります。以下の点を確認しながら、正確で伝わりやすい請求書を作成しましょう。
請求書は、あらかじめ締結した業務委託契約書の内容に基づいて作成します。
契約内容とズレがないよう、以下の点を事前に確認し、記載方法もそれに応じて調整しましょう。
- 業務内容は簡潔に
通常は「薬剤師業務委託料(○月分)」のような簡潔な表現で記載します。詳細な作業内容は契約書で管理されているため、請求書には端的に記載すれば十分です。 - 契約が分かれている場合は明細を分割
在宅訪問や服薬指導などが別契約・別単価で定められている場合は、「調剤業務」「在宅業務」などの項目を分けて記載します。 - 交通費の取り扱いも契約に基づいて記載
実費精算が契約に盛り込まれている場合は、報酬とは別に「交通費(実費)」として明細に記載します。
これらの項目は、「契約内容に基づいてどこまで請求書に反映するか」を整理しておくことで、取引先との誤解を防ぐことができます。
請求書に記載すべき基本項目とは?

請求書には、必要な情報を正確に記載することが大切です。以下は、基本的に記載すべき項目の一覧です。
項目名 | 内容の説明 |
---|---|
請求書タイトル | 「請求書」や「Invoice」など書類の種別を明記 |
送付元情報 | 自身の氏名または屋号、住所、連絡先など |
請求日 | 書類の作成日。支払期日と関連するため正確に記載 |
支払期限 | 「○○年/○月/○日」など支払い期日を明記 |
取引先情報 | 取引先の会社名、担当者名、住所など |
件名 | 業務内容の概要(例:薬剤師業務委託料(○○年○月分)のご請求)などを記載。取引先が内容を把握しやすくなります。 |
明細 | 納品日、品目(業務内容)、単価、数量、単位などの内訳 |
消費税の表示 | 税率ごとの消費税額。税込合計も併記する。 ※免税事業者の場合は消費税欄は空欄のままでも問題ありません。 |
振込先情報 | 振込先口座名、口座番号、名義など |
備考欄 | 交通費や支払条件など、特記事項があれば記載。例:「※なお、振込手数料については契約書の取り決めに従い、御社ご負担にてお願いいたします。」 |
記載例(交通費あり)
No.1:薬剤師業務委託料(6月分) 3,500円 × 100時間 = 350,000円
No.2:交通費(実費) = 3,000円
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
合計(税込):388,300円(税抜353,000円+消費税35,300円)
請求書作成を効率化するには?|クラウド請求書のすすめ

WordやExcelでもテンプレートや関数を使えば、請求書の作成作業をある程度効率化することは可能です。
しかし、作成・送付・保存・管理・経理連携といった一連の業務全体をスムーズに行いたい場合には、クラウド請求書サービスの導入が非常に有効です。
とくに毎月似た内容で請求する機会が多いフリーランス薬剤師にとっては、請求書のひな型登録や、毎月の自動作成・送信ができる「定期請求」機能を備えたクラウドツールを使うことで、作業時間の短縮とミスの防止につながります。
クラウド請求書のメリット
- テンプレート+自動計算で作業時間を短縮
- 送付状況や入金管理がひと目で把握できる
- 作成から送付・保存までクラウド上で完結
- 会計ソフトと連携し仕訳・帳簿付けも自動化
- インボイス制度・電子帳簿保存法にも対応
「マネーフォワードクラウド請求書」なら、「定期請求」「ひな型登録」「送付状況や入金管理」といった、フリーランスの請求業務に必要な機能が一通りそろっており、特におすすめです。
比較表|Word/Excelとクラウド請求書の違い
比較項目 | Word/Excel(工夫次第で対応可) | クラウド請求書(業務全体を最適化) |
---|---|---|
作成時間 | テンプレ・関数で時短可能 | 初期設定後は数分で完了 |
ミスのリスク | 手入力によるミスが残る可能性あり | 自動計算・チェック機能で低減 |
管理のしやすさ | ファイル管理や履歴の整理が手動 | 一元管理+送信履歴・入金状況の可視化 |
法令対応 | インボイス・電帳法対応は手動で要対応 | 自動対応(インボイス対応書式・保存形式) |
会計ソフト連携 | 手入力が必要 | 自動で仕訳・帳簿付けが可能 |
【実践編】マネーフォワードで請求書を作成する手順

ここでは、マネーフォワードクラウド請求書を使って、実際に請求書を作成・送付する手順を解説します。画面は2025年6月時点のものを使用しています。
ステップ0|マネーフォワードにログインする

まずは、マネーフォワードクラウド請求書にログインします。
すでに「マネーフォワードクラウド確定申告」を利用している場合は、同じアカウントでそのままアクセス可能です。
また、「マネーフォワードクラウド確定申告」を利用中の方は、確定申告のメイン画面左メニューにある「他サービス」から、マネーフォワードクラウド請求書に直接アクセスできます。
ステップ1|初期設定を済ませる








請求書を発行する前に、送付元情報や帳票デザインなどの基本設定を行います。
- 帳票設定>送付元情報:氏名または屋号、住所、連絡先などを入力
- 帳票設定>一般:ロゴや印影、消費税の表示方法などを設定
- 帳票設定>メール:マネーフォワードからメール送信する際の送信者名や返信先メールアドレス、CCメールアドレスを設定
- 帳票設定>請求書:請求書のテンプレートを設定
- 帳票設定>振込先:振込口座を登録(複数登録も可)
ステップ2|取引先と品目を登録する




請求書をスムーズに作成するために、あらかじめ取引先と品目(明細)を登録しておきます。
- 取引先登録:会社名、担当者名、住所、メールアドレスなどを登録
- 品目登録:報酬内容(例:薬剤師業務委託料)や単価、単位などを登録
ステップ3|請求書を作成する


初期設定と取引先・品目の登録が終わったら、実際に請求書を作成します。以下の手順で進めていきましょう。
- 取引先を選択:登録済みの取引先をプルダウンから選びます。
- 請求日と支払期限を入力:作成日(請求日)と、契約に基づく支払期限を設定します。
- 件名を入力:「薬剤師業務委託料(○○年○月分)のご請求」など、請求内容が一目で分かるように記載します。
- 納品日を入力:通常は「当該月の末日」を指定します(例:5月分であれば「2025/05/31」)。
- 品目を選択:登録済みの品目(例:「調剤業務(○○年○月分)」)を選び、数量・単価を入力します。
- 振込先を選択:初期設定で登録した振込先口座を指定します。
記載内容に誤りがないか確認したら、保存して次の送付ステップへ進みます。
ステップ4|送付・管理する

作成した請求書は、「請求書一覧」画面から管理できます。この画面では、以下の操作が可能です:
- メール送信:取引先に請求書を直接メール送信できます。
- PDFダウンロード:請求書をPDF形式で保存・印刷できます。
- ステータス管理:未入金・入金済などの状況を確認・更新できます。
請求書の送信や管理をクラウド上で完結できるため、見落としや手間を防ぎ、入金漏れの防止にもつながります。
まとめ|請求書作成の手間を減らして、本業に集中しよう

請求書の作成は、フリーランス薬剤師としての信頼や収入に直結する大切な業務です。 特に業務委託契約で働く場合は、契約内容との整合性や記載項目の正確さが求められます。
WordやExcelを使った方法もありますが、手作業によるミスや管理の煩雑さを避けるためには、クラウドサービスの活用がおすすめです。
マネーフォワードクラウド請求書を使えば、請求書の作成から送付、管理までをオンラインで一元化でき、次のようなメリットがあります:
- 記載ミスを防ぎやすいテンプレート形式と自動計算機能
- メール送付履歴や入金状況をクラウド上で管理
- 定期請求やひな型登録など、継続的な取引に便利な機能
- 会計ソフトとの連携による経理業務の効率化
なお、マネーフォワードクラウド確定申告をご利用中の方は、追加契約なしで請求書機能も利用できます。同じアカウントで請求書と会計処理を一元管理できるため、導入もスムーズです。
実務に即したクラウド請求書を導入することで、請求業務の手間を最小限に抑え、より多くの時間を本業に充てることができます。
👉 請求書業務を効率化したい方は、以下のクラウド請求書サービスを試してみてください。
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👉 開業準備について詳しく知りたい方は、フリーランス薬剤師の開業準備まとめをご覧ください。