フリーランスとして独立したあと、
「思ったよりお金が残らない」「節約しているのに貯まらない」――
そんな悩みを感じたことはありませんか。
実は多くのフリーランス家計では、“努力しているのに黒字にならない”という現実があります。
日々の節約には気をつけているのに、大きな固定費がそのままでは家計はなかなか軽くなりません。
食費や光熱費を削るような小さな節約ではなく、
毎月自動で引き落とされる「固定費」を抑えることこそ、
家計を根本から軽くする最も効果的な方法です。
家計調査によれば、単身世帯の支出のうち固定費が占める割合は約6割。
通信費・保険料・家賃・車の維持費――
これらを見直すだけで、年間数万円から十数万円の余裕が生まれるケースもあります。
この記事では、フリーランス薬剤師として独立した筆者の実体験とデータをもとに、
「支出の見直し」を“我慢”ではなく“仕組みで軽くする”視点から整理します。
具体的には、次のような主要な固定費を中心に、整え方と優先順位をわかりやすく解説します。
- 通信費・サブスク:最初に成果を感じやすい支出
- 保険料:長期的な家計の安定を左右する支出
- 住居費・車の維持費:暮らしの基盤に関わる大きな支出
支出を整えることは、“お金を減らす”ことではなく、“安心して暮らせる仕組みをつくること”。
その一歩を踏み出すことで、家計にも心にも小さな余白が生まれます。
支出を整える基本方針|“削る”ではなく“仕組みで軽くする”

節約の出発点は、まず「固定費」から。
食費や光熱費といった変動費を頑張って削るよりも、毎月自動で引き落とされる支出を抑えるほうが効果的です。
一度見直せば長く効果が続き、心理的な負担も小さく済みます。
「努力で節約する」方法は続きません。
電気をこまめに消したり、安い店を探したり――短期的には効果があっても、時間と気力が削られてしまうからです。
節約は“頑張ること”ではなく、“仕組みで回すこと”を意識しましょう。
また、完璧を目指す必要はありません。
料金プランを毎月追いかけたり、キャンペーンを渡り歩いたりしても、手間ばかり増えてしまいます。
家計の節約は60〜80点取れれば十分。
一度整えたら、あとはほとんど手をかけずに続けられる仕組みをつくることがポイントです。
固定費の見直しは、手をつけやすいところから始めるのが効率的です。
- 通信費・サブスク: 短時間で成果を感じやすい
- 保険: 見直し効果が長期的に続く
- 住居・車: 生活スタイルに関わるため慎重に判断
どこから始めるか迷うなら、まずは「通信費」から。
成果を実感することでモチベーションが生まれ、次の見直しにも自然に繋がります。
👉 家計全体の「予算設計」については、こちらの記事で詳しく解説しています。
フリーランス家計の予算づくりガイド|黒字を生む安心の仕組みをつくる方法
通信費とサブスクを整える|すぐできる支出削減の第一歩

まず取り組みやすいのが、スマホやインターネットなどの通信費、そしてサブスクです。
どちらも毎月自動で引き落とされる“固定費”であり、契約を見直すだけでムダを減らせる支出です。
通信費は“すぐに見直せる支出”、サブスクは“気づかないうちに増えている支出”です。
この2つを抑えるだけで、家計のムダがぐっと減り、効果を実感しやすくなります。
スマホは“使い方”に合わせて選ぶ
通信費を整える基本は、「使い方に合った契約を選ぶ」こと。
格安SIMや大手キャリアの格安プランを選べば、品質を落とさず料金を大きく抑えられます。
- ミニマル派(通信は必要最低限)
外出時はLINEやメール程度、Wi-Fi中心の生活をする人向け。
→ シンプルな格安SIM(例:日本通信SIMなど) - 安定派(外でも通信を多用する)
動画やSNSを外出先でもよく利用し、通信速度や安定性を重視する人向け。
→ 大手キャリアの格安プラン(例:ahamo/povo/LINEMOなど) - 統一派(スマホとネットをまとめたい)
スマホと自宅ネットをひとつにまとめて管理をシンプルにしたい人向け。
→ 無制限プランでテザリング活用(例:楽天モバイル)
筆者は楽天モバイルを利用し、スマホのテザリングで自宅のネット回線も兼ねています。
外出先や職場でも通信は安定しており、自分の使い方であれば楽天モバイルで十分と感じています。
通信費の節約で大切なのは、「どれが安いか」よりも「自分の使い方に合っているか」。
通信量や利用時間を把握し、それに合うプランへ切り替える――それが、無理なく続けられる節約の第一歩です。
ネット回線は“シンプルさ”を重視
ネット回線費用を抑えるときに大切なのは、“見た目の安さ”よりも“シンプルさ”。
「初年度だけ安いキャンペーン」や「スマホとのセット割」など、複雑な条件に依存する契約は、
一見お得に見えても、解約や乗り換えの際に制約が発生することがあります。
“◯万円キャッシュバック”“実質◯円”といった表記の多くは、
オプション契約や申請手続きが必要な場合もあり、条件を満たさなければ適用されません。
最初から料金体系が明確で、申し込みや解約の手続きが簡単なサービスを選ぶ方が、長期的には安心です。
家計を整える目的は「最安値を探すこと」ではなく、
「ムダをなくし、管理をシンプルに保つこと」。
通信費も同じで、“続けやすいシンプルさ”が最もコスパの良い選択になります。
家計管理をマネーフォワード ME で行っている方なら、
同社の「マネーフォワード光」を選ぶのも一つの方法です。
プレミアムサービス(スタンダードコース)が無料で使えるため、
家計管理をしている人にとっては、通信費を抑えつつサービスを活用できるお得な選択肢です。
サブスクは“自動引き落としの固定費”
動画配信や音楽、クラウドサービスなどのサブスクは、一度契約するとそのままになりがちです。
ですが、それは“惰性で続く支出”とも言えます。
見直しのコツは、「使っていないものは迷わず解約」。
再契約はいつでも簡単にできるため、惰性で払い続けるよりも確実にコスパが上がります。
年に一度、サブスクの棚卸し日を設定して一覧をチェックするのがおすすめです。
スプレッドシートや家計簿アプリで「何にいくら払っているか」を見える化すると、
意外なムダに気づくことがあります。
“支出を努力で管理する”のではなく、“仕組みで軽くする”。
この考え方が、固定費を安定して削減し続けるコツです。
通信費やサブスクのように“すぐに変えられる支出”を整えたら、
次は、“安心のために払い続けている支出”――保険を見直してみましょう。
保険の見直し|“万が一”より“破綻リスク”に備える

日常の支出を整えた次は、“安心のために払い続けている支出”――保険を見直してみましょう。
保険は一度加入すると見直す機会が少なく、気づかぬうちに固定費を押し上げていることもあります。
とはいえ、保険は「不安をすべて消すもの」ではありません。
本来の目的は、“生活が立ち行かなくなるリスク”から家計を守ること。
必要以上の補償や貯蓄型保険にお金を割くよりも、「万一のときに生活を守れる仕組み」をつくることが大切です。
保険の目的は「致命的リスクへの備え」
多くの人は“万が一のため”に保険へ加入します。
しかし、備えるべきは「万が一」すべてではなく、起きたときに生活が立ち行かなくなるリスクだけです。
たとえば、火災や大きな事故、家族の大黒柱の死亡――こうしたケースは一度で家計が崩壊しかねません。
一方で、入院やがんなどの治療費は、公的医療保険の自己負担上限の仕組みや手元の貯蓄で十分まかなえます。
医療費は“生活が破綻するほど高額にはなりにくい”ため、民間保険まで備える必要はありません。
基本は、公的保険と貯蓄で多くのリスクをまかなうこと。
そのうえで、どうしても備えきれない「確率は低いが損失の大きいリスク」に対してのみ、民間保険を追加する。
それが、保険を“安心の道具”ではなく、“家計を守る仕組み”として活用する考え方です。
必要な保険だけ残す
家計を守る目的で考えると、加入すべき保険は意外と少なく、次の4つで十分です。
- 生命保険:独身や子どものいない世帯なら不要。遺族年金を考慮して必要額を検討。
- 火災保険:賃貸・持ち家を問わず必須。火災等で住まいを失い、ローンや賠償だけが残るような事態に備える。
- 自動車保険:対人・対物賠償は無制限が基本。自賠責保険だけでは不十分。
- 自転車保険(利用者のみ):義務化が進行中。対人賠償の高額化リスクに備える意味で加入推奨。
これらは「一度の事故で家計が壊れる」リスクに備えるための保険です。
フリーランスは働けなくなると収入が途絶えるため、最低限の守りを整えておくことが大切です。
不要な保険を手放す
一方で、“なんとなく入っている”保険の多くは見直し対象です。
- 医療保険:高額療養費制度で自己負担は月数万円に抑えられる。
日額給付よりも、貯蓄で備えるほうが柔軟です。 - 貯蓄型保険(終身・養老・学資など):運用利回りが低く、途中解約リスクも高い。
貯蓄・投資は別で行った方が合理的。 - 地震保険:支払上限が低く、「家の再建」には使えません。
実質的には生活再建の一時金に近く、保険としての実効性は高くありません。 - 車両保険:使うと等級が下がり保険料が上がるため、実質的には“修理費の後払い”になりやすい。
- 延長保証・少額保険:家電やスマホの保証延長など、決して生活が破綻するリスクではないため不要。
保険は「入るのは簡単、やめるのは難しい」支出です。
まずは契約内容をすべて洗い出し、「解約しても問題ないか」を年1回確認してみましょう。
公的保険+貯蓄で大半のリスクをカバー
日本の社会保障制度は、実は非常に手厚く設計されています。
- 医療費:高額療養費制度、傷病手当金(会社員のみ)
- 年金:老齢年金、遺族年金、障害年金
- 失業:雇用保険(※フリーランスでも活用できる再就職支援制度あり)
こうした制度を理解しておくだけで、不要な保険料を払わずに済みます。
公的保険と貯蓄を軸に備え、不足する部分だけを民間保険で補う――。
そのバランスが、家計を長く安定させる最も確実な方法です。
固定費を整えたら、次は「暮らしの基盤」――住まい・車など、大きな支出の選び方を見直す段階です。
暮らしの基盤を整える|住居・車・税金のバランスを考える

ここまでで通信費や保険などの固定費を整えてきました。
次は、もう少し大きな視点で“暮らしの基盤”そのものを見直してみましょう。
住居や車のような支出は金額も大きく、「安心」や「快適さ」に直結します。
数字だけで最適化すると息苦しく、感情だけで選ぶと家計が不安定になりがちです。
「心地よく続けられるバランス」を意識して、無理のない形を探していきましょう。
また、税金や控除の仕組みを知っておくことも、家計を安定させるための助けになります。
住居費の最適化=“持たない快適さ”を意識
家賃は固定費の中でも最も大きな支出です。
一般的な目安は手取りの25〜30%以内、貯蓄を重視するなら20〜25%が現実的なライン。
「払える額」ではなく「払っても貯まる額」で考えることが大切です。
広さや立地を優先するよりも、“持たないことで快適に暮らす”発想を持つと、
家賃だけでなく光熱費や家具・家電の負担も自然に減っていきます。
持ち物を減らし、身軽に暮らすことは、フリーランスとしての自由度を高めることにもつながります。
車は“所有”から“利用”へ切り替える
車は家に次ぐ大きな固定費です。
保険・税金・車検・維持費を含めると、所有するだけで毎月数万円が出ていきます。
職場やスーパーが徒歩圏内なら、車を持たない選択も十分現実的です。
一方で、地方在住や通勤で必要な場合は、「新車を買う」よりも中古車+最低限の保険でバランスを。
カーシェアやレンタルを併用すれば、利便性を保ちながら支出を抑えられます。
“所有”より“利用”を前提にすることで、暮らしに柔軟さが生まれます。
税金・控除で“戻す節約”を取り入れる
家計を整えるうえで重要なのは、「支出を減らす」だけでなく、払いすぎを防ぐこと。
ふるさと納税・医療費控除などを活用すれば、手元に残るお金を増やせます。
特にフリーランスは、確定申告で控除を自分で申請する立場です。
「戻るお金を取りこぼさない」意識が、家計の安定や将来の備えにつながります。
固定費を見直すだけでなく、暮らしの設計そのものを整えることが、家計を安定させる近道です。
「どこに住み、何を持ち、どこにお金をかけるか」を自分で選べるようになると、
支出は自然に整理され、心にも余裕が生まれます。
ここまでの見直しは、支出を減らすためではなく、安心して暮らせる土台を整えるためのもの。
最後に、家計全体のバランスを振り返ってみましょう。
まとめ|支出を整え、“安心が続く家計”へ

固定費の見直しは、“我慢する節約”ではなく、暮らしを再設計する行為です。
スマホや保険、住居などを整えることで、日々の支出がシンプルになり、
「お金が減る不安」よりも「安心して暮らせる感覚」が少しずつ増えていきます。
支出を整えるとは、安心して暮らすための基盤を整えること。
数字が整うと心にも余裕が生まれ、
「どこにかけ、どこを抑えるか」を自分で選べるようになります。
その積み重ねが、“家計をコントロールできている”という自信につながります。
「支出を減らす=安心を増やす」。
この構図を意識できるようになると、節約は目的ではなく、
“自分の暮らしを守る仕組みづくり”として前向きに続けられます。
支出を整えた今こそ、次は「備えを築く」段階へ。
生活防衛資金や貯蓄の仕組みを整え、“安心が続く家計”を少しずつ形にしていきましょう。
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