PR

マネーフォワード活用ガイド|契約書テンプレートで業務委託契約を作成する方法

マネフォガイド契約書(アイキャッチ画像) 退職・開業準備ガイド
この記事は約9分で読めます。
記事内に広告が含まれています。
この記事を書いた人
Nao@フリーランス薬剤師

Nao@フリーランス薬剤師|調剤薬局と業務委託契約中
病院・薬局での経験を活かし、自由な働き方やお金の知識をブログで発信しています。
薬剤師免許・認定薬剤師・簿記3級・FP3級保有

Nao@フリーランス薬剤師をフォローする

独立してフリーランス薬剤師として働き始めると、最初に直面するのが「契約書はどうすればいいのか」という疑問です。
雇用契約と何が違うの?」「テンプレートを使って本当に大丈夫?」と悩む方も多いでしょう。

契約内容が曖昧なまま働くと、報酬や勤務条件をめぐって思わぬトラブルにつながることもあります。
だからこそ、契約書の準備は独立後の働き方を支える大切なステップです。

この記事では、実際に業務委託契約で独立した薬剤師の経験をもとに、次の内容をわかりやすく整理しました。

  • 業務委託契約の基本と雇用契約との違い
  • マネーフォワード提供の無料テンプレートを使った契約書の作り方
  • フリーランス薬剤師が必ず確認すべき契約項目
  • 契約時に注意したい実務上のポイント

これらを押さえることで、契約トラブルのリスクを減らし、自分に合った働き方を実現できます。

契約書は、あなたの働き方を守る「ルールブック」です。まずはその役割と必要性を整理していきましょう。

契約書はなぜ必要か|フリーランス薬剤師が直面するリスク

マネフォガイド契約書②

契約書は、フリーランスとしての働き方を守るルールブックです。
逆にいえば、契約書がなければ、トラブルの火種を抱えたまま働くことになりかねません。

契約書がないと起こりやすいトラブル

  • 報酬の支払い条件が不明確で、入金が遅れる
  • 業務範囲があいまいで、想定外の仕事を依頼される
  • 契約更新の合意が取れず、突然契約を打ち切られる

こうしたリスクは、あらかじめ契約書に条件を明記しておくことで防げます。
また、万一のときも合意内容を根拠に冷静に対応できるのが大きなメリットです。

フリーランス薬剤師ならではの注意点

薬剤師の業務は、調剤・服薬指導・在宅訪問など責任の大きい内容が中心です。
そのため、業務内容・報酬・契約期間といった基本条件を文書で合意することは、委託元との信頼関係を築く第一歩になります。

契約書の重要性を理解したら、次は契約の基本と種類を整理しておきましょう。

業務委託契約の基本|雇用契約との違いと3つの種類

マネフォガイド契約書①

業務委託契約を結ぶ前に、雇用契約との違いと契約の3種類を理解しておくことは欠かせません。
基本を押さえておくことで、自分の働き方に合った契約を判断できるようになります。

雇用契約と業務委託契約の違い

雇用契約と業務委託契約では、指揮命令の有無法的保護に大きな違いがあります。

雇用契約と業務委託契約の主な違い

契約形態指揮命令法的保護報酬の性質
雇用契約あり(勤務時間・業務内容に従う)労働法が適用(社会保険・労災など)労働に対する賃金
業務委託契約なし(業務の遂行方法は自由)労働法の適用外(自分で保険加入など)業務成果・遂行に対する報酬

つまり、雇用契約は会社に従属する働き方業務委託契約は独立した立場での働き方という位置づけになります。

業務委託契約の種類

業務委託契約には大きく分けて3種類があります。目的や業務内容によって使い分けられます。

  • 請負契約:成果物の納品が目的(例:Webサイト制作、原稿執筆)
  • 準委任契約:業務の遂行が目的(例:医療事務、コンサルティング、薬剤師業)
  • 委任契約:法律行為の代理権を含む契約(例:弁護士、税理士)

薬剤師の業務は「業務の遂行に対して報酬が支払われる」ため、準委任契約に該当すると考えられます。

実務と契約形態の整合性に注意

契約書にどの契約形態が記載されているかだけでなく、実際の働き方と一致しているかも重要です。

形式と実態が食い違うと、トラブルや「偽装請負」と判断されるリスクにつながります。
実態と契約内容を一致させることが、不要なトラブルを避ける第一歩です。

基本を押さえたら、次は実際に契約書を準備する手順を見ていきましょう。

無料テンプレートの入手と使い方|まずは雛形を整えよう

マネフォガイド契約書③

契約書の基本を押さえたら、次は実際に契約書を準備する方法を確認しましょう。
ここでは、マネーフォワードクラウドが提供する無料テンプレートを活用します。特別なソフトは不要で、Word形式のファイルをダウンロードして書き換えるだけです。

テンプレートのダウンロード手順

  1. マネーフォワード クラウド公式ページを開き、ログインせずに下へスクロール
  2. 「法務関連テンプレート集」をクリック
  3. 検索窓に「薬剤師 業務委託契約書」と入力
  4. 該当テンプレートを選び、ダウンロードページへ進む
  5. メールアドレスを入力し、チェックを入れてダウンロード
  6. メールで届いたリンクからWord形式を入手
画像_マネフォガイド契約(手順①)

公式サイトトップページ。ログイン不要で下へスクロールすると、テンプレート集にアクセスできます。

画像_マネフォガイド契約(手順②)

公式サイト下部のメニューから 法務関連テンプレート集 をクリックします。

画像_マネフォガイド契約(手順③)

ページを開いたら、下へスクロールして検索窓を表示させます。

画像_マネフォガイド契約(手順④)
画像_マネフォガイド契約(手順⑤)
画像_マネフォガイド契約(手順⑥)
画像_マネフォガイド契約(手順⑦)

※ダウンロードボタンをクリックすると、登録メールアドレス宛にリンクが送信されます。

ダウンロード後の確認

テンプレートを入手したら、次にどの条項を重点的に確認すべきかを整理しておきましょう。詳しくは次のセクションで解説します。

フリーランス薬剤師が必ず確認すべき契約書の条項

マネフォガイド契約書④

ここでは、フリーランス薬剤師が契約書で特に確認すべき主要条項をまとめます。
典型的な雛形(上記で入手したテンプレート)をもとにした一例ですが、契約書を作成・修正する際のチェックリストとして活用できます。

第1条(業務の内容)

  • ポイント:薬剤師としての具体的な業務内容を明記します。(例:調剤、監査、服薬指導、薬歴記載、在宅訪問など。)
  • 注意:範囲が曖昧だと想定外の依頼が生じるため、必要に応じて上限や除外を明記します。

第2条(契約期間および更新)

  • ポイント:開始日と終了日の設定方法を明確にします。(例:「契約締結日から最初に到来する3月31日まで」など年度区切り。)
  • 更新条項:自動更新の有無、更新拒否の通知期限(例:満了の30日前まで)。
  • 見直しや終了のタイミングを共有でき、運用がスムーズになります。

第3条(報酬および支払方法)

  • ポイント:報酬体系・計算単位・締支払・手数料負担を具体化します。
  • 例:時間あたりの報酬、15分単位計算、末締め翌月◯日払い、振込手数料は委託元負担など。
  • 交通費・出張費・在宅訪問時の移動費の扱いも明記します。
  • 具体化により、後日の解釈違いを防止できます。

第4条以降(定型条項)

  • 秘密保持、損害賠償、個人情報の取扱い、反社排除、不可抗力、管轄裁判所など。

👉 第4条以降は多くの場合テンプレートのままで問題ありません。ただし、不安がある場合や契約金額が大きい場合は、専門家(弁護士など)への確認をおすすめします。

💡 契約内容を理解するだけでなく、実際の働き方と矛盾がないかを常に意識することが大切です。
 次のセクションでは、契約締結後に押さえておきたい実務上のポイントを整理します。

契約後に押さえておきたい実務上のポイント

マネフォガイド契約書⑤

契約書を整えることは第一歩にすぎません。実際に契約を交わし、業務を進めていく中では、 相手方との認識合わせ実態と契約内容の整合性が重要になります。 ここでは契約締結前後に意識しておきたい実務上のポイントをまとめます。

取り決めは必ず書面に残す

口頭やメールでやり取りした内容も、最終的には契約書に反映させましょう。 「あとで調整しましょう」といった曖昧な合意は、後にトラブルの火種になります。

疑問点は必ず確認する

契約書に不明点や違和感があれば、委託元に遠慮なく相談しましょう。 丁寧に確認する姿勢は、信頼関係の構築にもつながります。

変更は必ず書面で合意する

契約後に条件を変更する場合は、必ず書面で合意を取りましょう。 口頭での変更や「一時的な対応」として済ませるのは避けるべきです。

契約書は交渉のベースと考える

契約書は一方的に受け取るものではなく、双方が合意するための文書です。 委託元の提示内容に違和感があれば、自分の働き方に合わせた調整を相談する姿勢が大切です。

実態と契約内容の整合性を保つ

契約書に問題がなくても、実際の働き方が「雇用」に近い場合は注意が必要です。 形式と実態が食い違うと「偽装請負」とみなされ、契約の有効性が疑われるリスクがあります。

⚠ 以下のような場合は「雇用に近い」と判断される可能性があります。

  • 勤務時間や休憩時間が明確に指定されている
  • 出退勤をタイムカードで管理されている
  • 委託元が業務の進め方を細かく指示してくる
  • 契約書に「就業規則に従う」と記載されている
  • 業務に必要な備品をすべて委託元が用意している

💡 特に薬剤師業務では「勤務時間の固定化」「就業規則への従属」がリスクになりやすいため、この点を意識して契約を確認すると安心です。

一方で、薬剤師業務では調剤機器やレセプトコンピューターを委託元が用意するのは一般的であり、 それ自体は指揮命令に直結しません。ただし、白衣や筆記具など個人で準備できるものは自分で用意することで、 独立性を示す一要素とみなされます

また、委託元からの依頼が「指示」ではなく「お願いベース」で調整される場面もあります。
薬局側の意向に反して在宅訪問を独断で行えば、当然問題になります。
業務内容の調整は、必ず事前に委託元と認識を共有しましょう。

実務では「契約内容を守る」と同時に「独立性を保つ」ことが欠かせません。
この2つを意識することで、トラブルを防ぎ、安心して業務に集中できます。

まとめ|契約書は信頼関係と安心の土台

マネフォガイド契約書⑥

この記事では、フリーランス薬剤師として働くうえで欠かせない業務委託契約について、
契約書の基本構造、確認すべき主要条項、そして実務での注意点を整理しました。

契約書は働き方を守るルールブックであり、信頼関係と安心の土台です。
内容を理解せずに署名してしまうと、意図しない条件で働くことになり、思わぬトラブルを招きかねません。

まずは信頼できる雛形を用意し、必要な項目を確認・調整しながら、自分に合った契約に整えましょう。
さらに、実際の業務の進め方が契約内容と矛盾しないよう意識することで、形式と実態のズレを防げます。

契約内容に不安がある場合は、フリーランス向けの支援窓口や専門家(弁護士など)への相談も有効です。
事前に備えることで、自信を持って安心して業務に取り組めます。

※本記事は参考情報の提供を目的としており、法的助言ではありません。契約内容の確認や調整に不明点がある場合は、必ず専門家へご相談ください。

次に進めるアクションはこちら:

契約書テンプレートを入手したい方はこちら

👉 マネーフォワード クラウド公式ページ(外部リンク|無料テンプレート集(ページ下部)からダウンロード可能)


開業準備には、他にも押さえておきたいポイントがあります。全体像はこちらの記事でまとめています。

👉 フリーランス薬剤師の開業準備まとめ(当サイト記事|独立前に必要な実務と手続きをまとめて確認)


あわせて読みたい関連記事(マネーフォワード活用ガイドシリーズ):