「フリーランスになったけど、お金の管理が本当に不安…」
そんな思いを抱えていませんか?
会社員時代と違い、フリーランスは収入も支出も、そして将来への備えもすべて自分で考え、設計していかなければなりません。
収入は毎月一定ではなく、税金や社会保険料も自分で支払う必要がある――そんな環境では、お金の不安を感じるのは自然なことです。
私自身も会社員からフリーランス薬剤師として独立するにあたり、「どうすれば安心して暮らし、将来に備えられるのか」を考え抜き、試行錯誤を重ねてきました。
その経験からわかったのは、“順番”こそが不安を解消する鍵だということです。
まずは現状を正しく把握し、使えるお金を設計する。
そのうえで、支出を整え、貯蓄で安心の土台をつくり、投資で将来への一歩を踏み出す――。
この記事では、フリーランスが「お金の不安」を小さくし、「経済的な安心感」を育てていくための5つのステップを、実体験を交えながらわかりやすく解説します。
- 収支を『見える化』して把握する
- 予算管理で“使えるお金”を設計する
- 固定費を削減して家計を黒字化する
- 生活防衛資金を貯めて安心の土台をつくる
- インデックス投資を始めて将来に備える
完璧を目指す必要はありません。
ひとつずつ順番に整えていくだけで、お金の不安は確実に小さくなります。
収支を把握しよう|「今の自分」を正確に知る

家計管理の第一歩は、いきなり節約ではありません。
「自分のお金の流れを正確に把握すること」が、何より大切です。
なぜなら、現状を知らないまま対策をしても、効果が出ないからです。
どこにいくら使っていて、毎月どのくらい残っているのか──まずは“家計の現在地”を知ることから、すべてが始まります。
その際に意識してほしいのは、単なるざっくり把握ではなく、「漏れなく・正確に」という点です。
現金払いが多いと記録漏れが起こりやすく、正確な支出管理が難しくなります。
収支を正確に把握するためには、次のような仕組みを整えると効果的です。
- 銀行口座はネットバンクを活用する:
入出金明細が自動連携でき、家計簿アプリとの連携がしやすくなります。 - 支払い手段はキャッシュレス中心に:
クレジットカードや電子マネーを使えば、利用明細が自動で残り、記録漏れを防げます。 - 家計簿アプリを導入する:
マネーフォワード MEなどを使えば、銀行・カードの情報を自動取得して収支を分類・可視化してくれます。
これらを組み合わせることで、日々のお金の出入りを“自動で見える化”できるようになります。
数字で見る習慣が身につけば、月ごとの収入・支出・残額を振り返ることが自然にでき、年間の流れもつかめるようになるでしょう。
この“年間の流れ”を知っておくと、次のステップである予算づくりが格段にやりやすくなります。
👉 詳しくはこちら:
家計管理ガイド|収支を数字で見える化して“家計の現在地”をつかむ方法
予算を立てよう|“使えるお金”を設計する

現状を把握したら、次は“使えるお金”の設計です。ここで現実的な予算を立てられるかどうかが、この先の家計管理の基盤になります。
フリーランスは、売上のすべてが自由に使えるお金ではありません。事業の運転資金や税金・社会保険料も自分で確保する必要があります。
特に、税金や社会保険料は「生活費の一部」として予算化しておくのがポイントです。年間の目安を把握し、毎月積み立てておくと支払い時に慌てずに済みます。
生活費を明確にするため、売上はまず事業用口座に入金し、生活費分だけを個人口座へ移す流れを作りましょう。収入が変動する場合は平均や最低ラインを基準に、少なめに見積もるのがコツです。
また、「先取り貯蓄」を取り入れると効果的です。手取りから最初に貯蓄・投資分を確保し、残りを生活費に充てれば、自然と“貯めて残りで暮らす”家計に変わります。
支出は次の3つに分けて考えると整理しやすくなります:
- 固定費(家賃・通信費など)
- 変動費(食費・日用品など)
- 特別費(旅行・冠婚葬祭など)
中でも、まずは固定費の見直しが最も効果的です。ここまで整理できれば、「自分はいくら使えるのか」が明確になり、次のステップへ進めます。
👉 詳しくはこちら:
[予算づくりガイド|お金の使い方を整理して“ムダのない家計”を設計する方法](準備中)
固定費を削減しよう|“節約”で黒字化を目指す

予算が見えてきたら、次に取り組みたいのが固定費の見直しです。家計改善の中でも効果が大きく、一度手をつければ長期的に効いてくるのがこの部分です。
通信費、サブスク、保険、家賃、車の維持費といった固定費は、毎月自動で引き落とされるため、意識しないと“なんとなく払い続けている”ケースが少なくありません。
特にフリーランス初期は収入が安定しにくいため、「支出の土台を下げる=安心の土台を作る」という意識が重要です。契約内容の見直しや不要サービスの解約だけでも、月1万円以上削減できることもあります。定期的に「本当に必要な支出か」をチェックする習慣を持ちましょう。
固定費を減らして支出のベースを下げると、家計が自然と黒字化しやすくなります。黒字化とは、生活費・税金・社会保険料を差し引いた後もお金が残る状態のこと。こうして生まれた余剰資金は、次のステップである「生活防衛資金の確保」に充てられるようになります。
「収入を増やす」のは時間がかかりますが、「支出を減らす」のは今日からでも始められます。まずは固定費という“大きな支出”から見直してみましょう。
👉 詳しくはこちら:
[支出の見直しガイド|固定費・サブスク・保険を整理して家計を軽くする](準備中)
生活防衛資金を貯めよう|“貯蓄”で安心の土台をつくる

固定費を見直して家計が黒字化したら、次に取り組むべきは生活防衛資金の確保です。生活防衛資金とは、「収入が途絶えても生活を維持できるための貯蓄」のこと。フリーランスは収入が不安定になりやすいため、この“安心の土台”があるかどうかで精神的な余裕が大きく変わります。
目安としては、生活費の1〜2年分。少なくとも半年〜1年分を確保できれば、仕事が減ったり、思わぬ出費が発生したりしても慌てずに冷静に対処できます。この資金は投資には回さず、いつでも引き出せる普通預金など流動性の高い形で保有するのが基本です。
また、「うっかり使ってしまう」ことを防ぐための工夫も大切です。生活費用口座とは別に貯蓄専用口座を用意したり、銀行の「目的別口座」機能を活用したりすると、日常の支出と明確に分けられます。生活防衛資金は「使わない」ことに意味があるため、仕組みで守る意識を持ちましょう。
このステップをクリアすれば、日常の不安は大きく減り、次のステップ――将来に備える資産形成に安心して踏み出せるようになります。
👉 詳しくはこちら:
[貯蓄の備えガイド|“いざという時”に安心できる生活資金のつくり方(準備中)]
インデックス投資を始めよう|“投資”で将来への備えを進める

生活防衛資金が貯まったら、次のステップは「お金に働いてもらう仕組み」をつくることです。フリーランスにとって、老後の年金や将来の生活費を自分で準備する意識は欠かせません。その方法としてもっとも現実的で再現性が高いのが、インデックス投資です。
インデックス投資とは、特定の株価指数(たとえば全世界株式やS&P500など)に連動する投資信託を活用し、「長期・積立・分散」の3つを基本に資産を増やしていく方法です。毎月決まった額を自動で積み立てる仕組みをつくれば、価格変動に一喜一憂せず、時間を味方につけて着実に資産形成が進みます。
具体的な手段としては、NISA(少額投資非課税制度)やiDeCo(個人型確定拠出年金)を活用するのが効果的です。NISAなら運用益が非課税に、iDeCoなら掛金が所得控除の対象になるため、税制メリットを得ながら資産を増やすことができます。少額からでも始められるので、生活防衛資金が整ったら早めにスタートしましょう。
投資は「余剰資金で行うもの」という原則を守りつつ、毎月の積立を習慣化すれば、将来への不安はぐっと小さくなります。貯蓄だけでは得られない時間を味方にした資産形成を始め、安心できる未来への準備を進めましょう。
👉 詳しくはこちら:
[インデックス投資ガイド|NISA・iDeCoでつくる“長期の資産の土台”(準備中)]
まとめ|順番を決めて整えれば、不安は小さくできる

フリーランスとして働く上で、お金の不安は誰にとっても避けて通れません。ですが、その不安は「何から手をつければよいか」を明確にし、ひとつずつ順番に整えていくことで、着実に小さくすることができます。
この記事で紹介した5つのステップは、すべてがつながっています。まずは「収支の見える化」で現状を把握し、「予算管理」で使えるお金の枠組みを設計する。次に「固定費の削減」で家計を黒字化し、「生活防衛資金」で安心の土台を築く。そして最後に、「インデックス投資」で将来に備える仕組みをつくる──この流れを踏むことが、経済的な安心へとつながる最短ルートです。
完璧を目指す必要はありません。大切なのは「今の自分にできる一歩」を踏み出すことです。
一歩ずつ整えていくことで、お金との向き合い方そのものが変わっていきます。
今日からでもできることを少しずつ積み重ねていけば、不安はいつの間にか安心に変わっていきます。
開業準備には、他にも押さえておきたいポイントがあります。全体像はこちらの記事でまとめています。